火鉢の欠点
2013年 11月 04日
少し前のことになるけれど、朝日新聞の「社説余滴」欄に、
「電気さん、ありがとう」という文章が掲載された。(2013年7月11日)
社会社説担当の稲垣えみ子記者が、「誰でもできる個人的脱原発計画」、つまり月の電気代を半減させる挑戦の過程で、
気づいたことについて書いたものだ。
徹底した節電を実行するにあたって、暖房に火鉢を導入したそうだ。
「驚くほど手間がかかり、しかも全く暖かくない。だが凍える朝、必死に炭をおこす期待感と、火がついたときの
喜びといったらない。これって、むかし学校で習った清少納言の世界?」
使ってくださる方が喜んでくださる炭を焼こうと努めている炭焼きとしては、こんなふうに書かれると、とても悲しい。
しかも彼女は「がまんこそ面白い」ことの実例として、火鉢を挙げているのである。
がまんしないで、楽しく使ってくださーい、と大声で言いたい。
まず、「全く暖かくない」と断定するなら、せめて、どのくらいの広さの部屋で、どのくらいの大きさの火鉢で、
社会社説担当の稲垣えみ子記者が、「誰でもできる個人的脱原発計画」、つまり月の電気代を半減させる挑戦の過程で、
気づいたことについて書いたものだ。
徹底した節電を実行するにあたって、暖房に火鉢を導入したそうだ。
「驚くほど手間がかかり、しかも全く暖かくない。だが凍える朝、必死に炭をおこす期待感と、火がついたときの
喜びといったらない。これって、むかし学校で習った清少納言の世界?」
使ってくださる方が喜んでくださる炭を焼こうと努めている炭焼きとしては、こんなふうに書かれると、とても悲しい。
しかも彼女は「がまんこそ面白い」ことの実例として、火鉢を挙げているのである。
がまんしないで、楽しく使ってくださーい、と大声で言いたい。
まず、「全く暖かくない」と断定するなら、せめて、どのくらいの広さの部屋で、どのくらいの大きさの火鉢で、
炭はどんな種類のものを、どのくらいの量を火鉢にのせているのか、など具体的な内容を記してほしかった。
先日も書いた通り、火鉢は暖かいのだ。
ただし、使い方による。
「全く暖かくない」のだとしたら、まず考えられるのは、部屋の大きさに対して、火鉢が小さすぎるということ。
あるいは、稲垣記者がエアコンや灯油ストーブと同じように、部屋全体を暖める機能を火鉢に期待しているのかもしれない。
火鉢は部屋全体を暖めるための暖房器具ではなく、その周囲を暖める暖房だから、それは難しい。
「暖かくない」と言われても仕方ない。
よほど大きな火鉢で、キャンプファイヤーのように炭を熾せば別だけれども。
また、火鉢の種類も気になる。
陶器製の火鉢だと、火鉢自体が熱くなるので、手は炭にかざし、身体は火鉢に寄せて、という具合に暖をとることができる。
長火鉢は木製なので、火鉢自体が暖かくなることはない。
先日も書いた通り、火鉢は暖かいのだ。
ただし、使い方による。
「全く暖かくない」のだとしたら、まず考えられるのは、部屋の大きさに対して、火鉢が小さすぎるということ。
あるいは、稲垣記者がエアコンや灯油ストーブと同じように、部屋全体を暖める機能を火鉢に期待しているのかもしれない。
火鉢は部屋全体を暖めるための暖房器具ではなく、その周囲を暖める暖房だから、それは難しい。
「暖かくない」と言われても仕方ない。
よほど大きな火鉢で、キャンプファイヤーのように炭を熾せば別だけれども。
また、火鉢の種類も気になる。
陶器製の火鉢だと、火鉢自体が熱くなるので、手は炭にかざし、身体は火鉢に寄せて、という具合に暖をとることができる。
長火鉢は木製なので、火鉢自体が暖かくなることはない。
それから、どんな炭を使っているか、その炭を灰の上でどんなふうに組んでいるか、そんなことも大切。
炭の組み方で火力は全然違ってくるのだ。
立てるようにして、空気の通り道をきちんと作ってやると、よく燃える。
それから、「驚くほど手間がかか」ることについて。
そりゃあ、スイッチひとつでポンと火はつかないし、温度設定もできない。
暖かさを保ちたいなら、折を見て、炭についた灰を落としたり、新しく炭を足したり組み直面倒を見なくてはいけない。
ただ、これらの手間は慣れてしまえば、手間とも感じなくなるはずだ。
最初のころは「折を見る」ことができないので、大変と感じる人は感じるかもしれない。
私たちは毎朝炭を熾すのは面倒くさいので、寝る前、火鉢の灰に炭を埋け込んでおくけれども、
彼女はどうしてそうしないのだろう。
熾った炭を埋けるとき、新しい炭を一緒に埋けておくと、朝、その炭も真っ赤に熾って出てくる。
炭を埋けることができるほど、火鉢が大きくないからだろうか。
あるいは、埋けている間にも炭は少しずつ燃えているので、それをもったいないと感じるからだろうか。
うちの場合、炭を埋けた後、火鉢に大きな網をのせ、その上に水の入ったやかんを置いておくと、朝には熱めのぬるま湯になっている。
そういうこともできるけど、それでももったいないかな?
夜、埋け込むときに、炭が少し顔を出すようにしておいて鍋をのっけておけば、
熾った炭を埋けるとき、新しい炭を一緒に埋けておくと、朝、その炭も真っ赤に熾って出てくる。
炭を埋けることができるほど、火鉢が大きくないからだろうか。
あるいは、埋けている間にも炭は少しずつ燃えているので、それをもったいないと感じるからだろうか。
うちの場合、炭を埋けた後、火鉢に大きな網をのせ、その上に水の入ったやかんを置いておくと、朝には熱めのぬるま湯になっている。
そういうこともできるけど、それでももったいないかな?
夜、埋け込むときに、炭が少し顔を出すようにしておいて鍋をのっけておけば、
スープでも煮ものでも、朝にはできている。
そういうこともできる。
ただし、これは火鉢と炭の扱いに慣れて、加減を掴まないと難しい。
結論。
火鉢は暖かい。使い方に慣れ、暖かく使う方法を身につければ。
火鉢は面倒くさくない。使い方に慣れれば。
そういうこともできる。
ただし、これは火鉢と炭の扱いに慣れて、加減を掴まないと難しい。
結論。
火鉢は暖かい。使い方に慣れ、暖かく使う方法を身につければ。
火鉢は面倒くさくない。使い方に慣れれば。
この使い方に慣れれば、というのがミソで、火鉢の欠点のひとつだ。
誰でもすぐに上手に使いこなすことができるわけではなく、お稽古が必要なのです。
近所のおじいさん、おばあさんたちは、炭の扱い、灰の扱い、炭の熾し方、何をとっても適切で優雅で、見とれます。
毎日毎日使っていれば、私たちもあんなふうになれるかしらと、期待しているのですが、どうでしょう?
少なくとも私はガサツだからな。
注)火鉢をお使いの際は、換気をしてください。
また、炭を埋めておくときは、地震が起きて火鉢が倒れたり割れたりしたときでも、火事が起こらないような場所に、火鉢を設置してください。
(妻)
by binchosan
| 2013-11-04 21:35
| 炭・七輪・火鉢・薪ストーブ