炭焼き職人になるということ その1
2014年 10月 08日
2016年 5月2日
追記 (いきなり追記で申し訳ありません)
炭焼き職人になりたい方を募集しています。
興味のある方は 2016年 5月2日の記事をお読みください。
本文
若者の就職難とか非正規雇用とかいうニュースを耳にするたび、この困っている若者たちは炭焼きにはなる気はないかねえと夫婦で話す。
宮崎県の炭焼きは絶滅危惧種である。
ウナギどころではない。
もっともっと絶滅の危機に瀕している。
備長炭は素晴らしいものだし、炭焼きは素晴らしい仕事である。
絶滅させてしまうのはあまりにも惜しい。
だから新しい人に入ってほしいなあと強く願っている。
でも入りたくない人の方が圧倒的に多いだろうなあと思っている。
まず人力での作業が多いので体力的にとてもきつい。
しかも危険である。
それから村の生活、人間関係にどっぷり漬かってしまわないと仕事にならないので、私たちのような都会育ちには慣れるまでとてもきつい。
さらに生計を立てるのも大変である。
生計を立てることを考えずにすむのであれば、炭を焼くことは誰にでもできる。
誰でも家庭菜園で野菜を作ることができるのと同じことだ。
最初のうちは毎月収入をあげることもできない。
自営業だから休もうと思えば休めるけれど、休めばその分収入は減るので、結局あまり休めない。
副業も持とうと思えば持てるけれど、炭焼きの仕事を一通り一人前にこなせるようになるまでは、かえって虻ハチ取らずになってしまうのではないかと思う。
おまけに将来性もない。
なんたって絶滅危惧種なんだから。
こういうことを聞かされて、よし、炭焼きで食べていこう、と腹を決める人はまずいないのではないか。
たまに炭焼きになりたいと相談を受けることがあるけれど、「私は勧めないよ」と返事をする。
ただし、そうは言っても、私たち自身は炭焼き生活を満喫しているのも事実なのだ。
こんな失敗しちゃった、機械が故障してまたお金が出ていった、こんだけ働いてこんなに収入がない仕事って他にあんまりないよねえ、などと、他の炭焼きさんとぼやきあいながら、毎日飽きもせず炭を焼いている。
これからもずっと炭焼きをしていたいなと思う。
そこまで思わせる炭焼きという仕事の魅力とは何なのか、それをちゃんと語れるようにならないといけないなと最近思うようになった。
でもこれが難しいのだ。
大変なことを語るのはとても簡単なのだけど。
今日はもう眠くなりました。
お休みなさい。
(妻)
by binchosan
| 2014-10-08 21:35
| 備長炭