冬上夏下、あるいは夏下冬上
2016年 10月 22日
3猫の中で一番の寒がり屋。
冬は苦手。
こちらは、3猫の中で一番恰幅のよろしい方。
お肉のコートをまとっておられる。
満腹知らず、冷え知らず。
さて、
冬上夏下とこのあたりの方は言います。
何のことかと思われるかもしれませんが、炭のつけ方です。
大辞林の解説では、
かかとうじょう【夏下冬上】
炭火のおこし方の口伝くでん。火種を夏は炭の下に、冬は炭の上に置くと火付きが良いということ。冬上夏下。
とあります。
理屈では、火種を炭の下に置けば上昇した熱が炭を温めるので、火種を上に置くよりも速くつく、ということになります。
ではなぜ、冬は火種を上に置くのか?
冬は七厘が冷えているので、火種を七厘の底に置いてその上に炭を置くと、火種の熱が冷えた七厘に奪われてなかなか炭につかない、場合によっては炭に着火する前に消えてしまうことがあります。
炭の上に火種を置けば、炭が断熱材の役目を果たし、火種が消えるのを防ぐ働きをするので、冬は炭の上に火種を置いたほうが良いということだと思います。
では、冬は火種が上でいいが、夏はやっぱり火種を下に置いたほうがいいのではないか?
確かに着火の速さでは、火種を下に置いたほうが良いでしょう。
でもこれは爆跳のない黒炭の場合の話だと思います。
白炭、特に白炭の一種でウバメガシ、カシを原料とする備長炭の場合は、着火の際、爆跳する危険があります。
特に夏は、爆跳の原因である水分を多く含んでいます。
そのような状態の炭に火種を下に置いて着火すると、急加熱になり、爆跳の危険が増してしまいます。
私自身は、爆跳の危険を減らすため、白炭、備長炭は季節を問わず火種を炭の上に置いて着火したほうが良いと感じています。(上に置いたら、爆跳が完全になくなるわけではありませんが、下に置くよりましになるのではないか?ということです。)
そこで、冬上夏下に代わる、白炭、備長炭の着火の慣用句を作ってみました。
びんちょうじょうじょう【備長常上】あるいは、かじょうはっか【火上白下】
白炭、備長炭のおこし方の口伝くでん。火種を炭の上に置くと下に置いた時より爆跳の危険を少なくすることができるということ。
大辞林に載る日がくるかな。
その上に火種を置く。
10分後。きれいに着火しました。
爆跳なし。
by binchosan
| 2016-10-22 21:54
| 炭・七輪・火鉢・薪ストーブ